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TypeFamilyDependencies の実用的な例を考える

FunctionalDependencies という GHC 言語拡張がある.Haskell Wiki によると

Functional dependencies are used to constrain the parameters of type classes.

と書かれているが,これはどういうことか.

Haskell Language Report で定められた範囲では,型クラスに与えられるパラメータは1つに限られるが,MultiParamTypeClasses を用いると,複数のパラメータを与えることができる.この際に,パラメータとして与えられた (複数の) 型の間の関係性に制限を加えることができるのが,FunctionalDependencies なのであった.恐らく多くの人が初めて目にするのは,mtl package の MonadReader の定義なのではないだろうか.| m -> r というのがそれである.

class Monad m => MonadReader r m | m -> r where
   ...

さて,GHC 8 から TypeFamilyDependencies という GHC 言語拡張が追加された.これについては既に lotz 先生が『型族が単射だと嬉しい理由』という記事を書いていらっしゃるのだが,(氏には失礼ながら) 少しばかりわざとらしい例だと感じたので,もう少し実務的な例を引き合いに出して,有用性を示したいと思う.

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